久々の久々にですよ全くもって無名の国内バンドの第一発目のデビュー音源を産み落とすのは!それくらい衝撃を受けたバンドです。もう1曲目の”dead”のブリブリなベースのイントロを聴いた時点で俺が出さないで誰が出すんだって勝手に思ったくらいの天命を感じたのです。
吉祥寺周辺で活動している「falls」のリリースを決めた時は彼らが誰なのかなんて一体知りませんでした。ただ、メールオーダーを定期的にしてくれていたMae少年から自分のバンドを聴いてもらえないかと録音した音源を送ってくれた「dead」のベースラインで即時に惚れ込みリリースしたいことを伝え会う約束をし、その場所に出向いたところにやってきた他のメンバーを見て、あれ?俺この人知ってると思ったのが、この「falls」でボーカル・ベースでこのバンドの中心人物だったのがPASTA FASTAのsho yamamotoでした。俺の知ってるsho君はPASTA FASTAのイメージしかなくこんな繊細なメロディック・パンクをやる想像なんてなかったので驚いた!恐らくPASTA FASTAを知ってる方は同じような印象を抱くと思う。だって俺いつも赤石としか喋ってないし、ショウ君は後ろに立ってるだけだったからw
1曲目の”dead”はオープニングトラックとしては完璧な疾走感をもつキラートラック!縦横無尽に奏でるギターフレーズが曲中左右で鳴りまくり、フック聴きまくりの主旋律メロディーとライブじゃ全員合唱必須のコーラスにテンション上がらずにいられない。続く”In The Way Back”はイントロのキラキラギターから前編を通し流れるサウンドに合唱メロディーが現在進行形エモファンの心も捉えるだろう。”Imagination Ghost”は「falls」がメロディーを書けるバンドを象徴する1曲。”Summer Summarysong”は彼らが敬愛するmalegoatからの影響も昇華したエモ/インディーロックチューン。そしてタイトルトラックの”Wednesday”。全ての曲がシングルカットしてもいいんじゃないかと思える濃厚な5曲。これが初音源。このハードルを乗り越えなければいけない次作は大変だろう。sho yamamotoのギターを思わせるベースフレーズ、GMOの自由でオリジナリティーのあるギターワーク(こいつのギターワークはくそセンスあり!)、初期衝動の爆発したMaeのドラムで彼らは余裕で乗り越えていくだろう。前編を通してまさにWATERSLIDEがこれまでに提示してきたメロディックサウンドの全て兼ね備えた嫉妬せずにはいられないセンスの固まり。それがこのfallsだ。まだ音源も何もない状態でHajime(malegoat/Husking Bee)がFootball, etc.の来日公演に出させてくれたりね。結成からライブ回数は少ないものの多くの人にすでに注目を集めているのも当然だろう。ライブでのMae少年の全身を使って必死に叩くドラムスタイルは必見!
(オニギリ・ギリオ)
大分前からですが再びエモ・ブームがアメリカからじわじわ到来してきて(ここ最近名の通ったレーベルのリリース物を見てもエモの名盤多し)、日本でも若いのやら、若くないのやらすっごく良いバンドが頭角を現し出して高まってます。その中でこのfalls聴いた時は、グッときました。 COMEBACK MY DAUGTERSがどこかに忘れて置いてきてしまったエモ・センスを再び感じさせてくれた音楽だからです。ギターのキラキラ感と鳴り方、ドラムのポイント、ポイントに入ってくるタム使いが一時夢中になって聴きあさった90’sエモを再び甦らせてくれるだけじゃなく、思わず納得させられしまう素晴らしく分かりやすいメロディーに心奪われるこの感じ。全曲耳に残るメロディーって素晴らしくないですか?エモも多種多様なサウンドの括りとして使われる言葉になってますが、展開のひねくれや 難解さなんて皆無のGET UP KIDSや90’sエモバンドが提示したエモショーナルで、心を洗われるクリーンなギターのトーンに癒されながらも拳突き上げたくなるこの熱量と感情こそが久しぶりに欲しかったエモなわけです。そして全ての楽曲を引っ張るこののびやかなヴォーカルの声質こそこのバンドの決定打。それだけじゃないのがドラムが取るコーラスとの絡みが合唱型のメロディックやPOP PUNKが好きで熱くなってた時期を思い出させてくれる曲だからこそfallsが各方面で話題になるのも頷ける。2015年の注目株は間違いなく「falls」だろう。
(R)