久しぶりに会った女の子がびっくりするくらい綺麗になっていることがある。思い出と、今までの時間。自分の思いがそうさせるのか、彼女自身の過してきた時間がそうさせるのか、それは分からないけど、僕はそこに物語を見る。
自分で作った物語は、自分だけに優しく、美しい。climb the mindはそんなバンドだ。高級レストランの贅沢な食事も良いけど、やっぱり一晩煮込んだ家のカレーには敵わないように。色んな人に優しく、色んな人の特別であり続けている。確信犯的に力強い。泣けるやん!
山口将司/BED
USエモ・インディーロックを彷彿とさせる丁寧に創り込まれた楽曲を基盤にしながらも Climb The Mindでしか鳴り得ないであろう和心を注入した独特なセンス溢れるロックサウンド。
そして、何よりも優しさや人間味溢れる暖かさを感じさせる唄が本当に素晴らしくすーっと 心に響き渡るこの感じ、かっこいいなあ。早く出会いたいです。
佐藤洋介/malegoat
気づけば前作「よく晴れた朝は地下を探索しに出かけよう」からもう2年半。正直このアルバムが好き過ぎて僕の中ではclimb the mindにもう新しいアルバムなんて必要ないってずっと思ってた。でも、軽々と、超えた。好きに限界はないのか。こんなに心揺さぶられるアルバム、絶対ない。
辻友貴/cinema staff
僕が小学生の頃、赤い電車に乗っておじいちゃんの家に遊びに行くのが月に一度の楽しみだった。一人暮らしだったおじいちゃんは、僕が行くと凄く嬉しそうに笑ってくれた。僕もそれを見て凄く嬉しかった。名古屋市南区のどこにでもあるような思い出。
climb the mindの新しい音源を聴き終えた後、僕は何故かおじいちゃんの家に行ってみたくなって車を走らせた。場所なんて覚えちゃいないけどなんとかなるもんだ。記憶をたどってたどり着いた南区浜田町。おじいちゃんの家は15年という隙間を一瞬で切って貼ってくっつけた。ただボーっと無人の家の前で立ち尽くす31 歳男。完全にアウト。ハザードをたいたままの車からはclimb the mind。僕はたまらなくなって車に戻った。僕の「ほぞ」はこんな衝動。
柴山順次/ONE BY ONE RECORDS
愛知のバンドの人は自分も含めシャイで内向的な人が多いような印象があります。ボーカルの山内さんも例に漏れず、話をすると返ってくる返事は言葉少なく、いい加減で、本心がなかなか分からなかったりするのですが、頭の中ではこんなにも等身大で壮大な宇宙が拡がっているなんて。本当に変態だなと思います。
今回のアルバムでその宇宙はさらに拡がり、完全に言葉と音を自分達のモノにしたような印象を持ちました。これまでの音源も素晴らしかったけれど、climb the mindが本当にヤバくなるのはこのアルバムからのような気がします。 笑って泣けるアルバム。
五味秀明/THE ACT WE ACT, dOPPO
もう嫌になるんですよ。毎回、音聞くたびにClimb The Mindに浸る毎日毎日。巨大に歪な不細工すぎるはずの表現に、この突き抜けるような優しさ。伝え方がオリジナルだなんてそんな生ぬるいもんじゃなく、彼らにしか許されなかったスタイルにすら感じる。「ほぞ」、今回もまた最高に不細工で優しい。もう嫌になるんですよ毎回、毎日。
脇田 将行 / miscorner/c+llooqtortion